クリニックからのお知らせ

■★心房細動と脳梗塞の関係★
最近中高年の方の間で、まったく自覚症状のない脳梗塞がよく見つかる。
これは磁気共鳴画像装置(MRI)など検査方法の進化のおかげだろう。
脳梗塞でいちばん怖いのは心原性脳梗塞栓症で、その80%以上が心房細動から
引き起こされる。心房細動は不整脈の「横綱」だ。心臓を動かす電気刺激が
心房細胞に多発したり、異常な電気刺激が発生して小刻みに震え、正規の
心臓の収縮と拡張ができなくなったりする状態をいう。心房細胞のせいで
できやすくなった血栓が血流に乗り、心臓の冠動脈に詰まれば心筋梗塞、
脳梗塞に詰まれば脳梗塞を発症する。心房細動はほとんど自覚症状もなく
検診などで見つかることが多く、若者の突然の死の大きな原因になっていると
考えている。心房細動は一度かかると完治しづらい病気で、診断されると、
その後長年にもわたり服薬が必要だ。急激な運動やストレスは巌に慎まなければ
いけない。例えば、階段を駆け上がって電車に飛び乗る、たばこの煙でよどむ
会議や飲み会に居続けるなどは危険で、大声で激怒をするのもよくない。
心房細動の患者さんの36%は生涯のうちに脳梗塞を起こすといわれる。
したがって心房細動そのものの治療はもちろん、心筋梗塞や脳梗塞予防が大切だ。
心房細動の一般的な治療では、血を固まりにくくする抗凝固剤を服用する。
これらの薬剤の進化は著しく、最近の新しい薬では、納豆やグレープフルーツ
などは食べられないといった食事制限の禁止事項も減っている。ただし、新薬は
値段が高く、患者さんの経済状況を考慮すると、全員に使える薬とは言い難い。
日常生活では、塩分や高脂肪食の過剰摂取は避け、十分な水分補給と睡眠を確保
すること。節酒や禁煙は当然として、コーヒーやお茶でカフェインをとりすぎた
場合は、その分多めの水分を補う。これからの季節は冷房の効きすぎなど、
温度差に注意することも大切だ。大事なのは、細かいことでも医師に尋ね
相談をしてほしい。
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