クリニックからのお知らせ

■★身近なたばこにもPM2.5の危険あり★
中国で発生した微小粒子状物質(PM2.5)が大陸から飛来する国境汚染への
関心が高まっている。ところが、身近な所に濃度が極めて高い場所がある。
喫煙可能な室内だ。例えば、禁煙していない居酒屋だと、北京市の最悪時の
濃度とかわらない。専門家は屋内の全面禁煙を訴えている。PM2.5はたばこの煙
も危険だ。直径が2.5マイクロメートル以下の微粒子は化石燃料や草木などが
燃えたときに発生する。たばこの煙もその一つで、フィルターを介せずに
周囲広がる副流煙に多い。中国から飛来するPM2.5よりも受動喫煙の影響の
方が大きい。自由に喫煙できる居酒屋のPM2.5の濃度は最悪と評したときの
北京市の大気とほぼ同じ水準だ。客なら滞在していても1〜2時間なので影響は
少なくて済む。しかし多くの専門家が短時間でも悪影響はあると結論づけている。
1日中いる従業員の場合はなおさらだ。屋外の汚染を怖がるなら、喫煙可能な
喫茶店や飲食店を怖がってほしい。たばこを吸う家族がいると、住宅内のPM2.5
濃度は大きく上昇する。たばこを吸わない家族も環境基準値を上回る濃度の
PM2.5にさらされる。小さな子供や肺に病気を持つ人はPM2.5の影響を受けやすい
とされる。こうした人たちがいる家庭は禁煙にすべきだ。空気清浄機を使っても
たばこのPM2.5を取り除くのは難しい。ベランダなどでたばこを吸う人
は少なくないが、PM2.5はサッシの隙間から入り込むほか、呼気に含まれたり、
衣服に付着したりするため、室内に持ちこんでしまうという。問題は大気中に
漂うPM2.5よりもたばこの煙の方が有害性が高いことだ。煙の中には70種類近い
発がん性物質が含まれている。受動喫煙による死亡リスクはPM2.5の値よりも
はるかに高い。怖がるのなら、明らかにたばこの方だ。完全分煙にするか、
室内を全面禁煙にしないと、効果は薄い。受動喫煙防止法を導入した国は、
心筋梗塞などのリスクが減ったとの報告がある。越境汚染だけでなく、
身近にリスクが存在することも認識する必要がありそうだ。

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