クリニックからのお知らせ

■★肝機能障害は血液検査値に注意★
血液検査でAST(GOT)とALT(GPT)の値が高いときに自覚症状もないし、
体重が増えて肝臓に脂肪がついただけだろうと考えがちです。そんな油断は禁物。
肝臓の病気を知る重要な指標だからです。これらの値は肝臓などの細胞に含まれる
酸素の濃度。肝臓の細胞が壊されると上がる。高いほど炎症の程度がひどい
ということを示します。さらに、血液中の血小板数が減少傾向にあると、肝疾患が
進行していることがより強く示唆される。肝臓は「沈黙の臓器」といわれ障害を起こして
いても、症状が表れにくい。血液検査や問診などで早期に病気の兆候を知り、
進行を食い止めることが重要だ。実はASTとALTの正常値は医療機関でかなり差が
あるし、基準の違いで肝機能障害が見過ごされている可能性がある。肝機能障害が
かなり進むと、今度はALTの値が正常値以下になるので、この値が低いだけでは
異常がないと判断できないので注意が必要だ。慢性の肝炎が進行し、肝臓の細胞
の破壊と再生が繰り返されると「線維」というたんぱく質が増え、肝臓の組織が
硬くなり、本来の機能が失われる。これが肝硬変だ。元の状態には戻りにくい。
肝硬変になると、ホルモンの代謝異常で、手のひらが斑点状に赤くなったり、
胸などで血管がクモの巣状に浮き出たりする。肝機能が低下し、胆汁の成分
ビリルビンの処理がうまくできなくなると、黄疸になる。肝臓に脂肪が過剰に
つく脂肪肝の人は、症状はほとんどないが、動脈硬化を誘発し、心疾患などの
リスクが高くなる。アルコールを飲まない人でも、肥満や糖尿病だと脂肪肝が進み
NASH(非アルコール性脂肪肝炎)になり、さらに肝硬変につながる恐れがある。
肝機能を回復させるには、運動や食事制限で脂肪を減らすこと、アルコールを控える
ことが重要だ。ただ、日本人の肝硬変の原因の7〜8割は肝炎ウイルスだという。
一生に一度はB型、C型などの肝炎ウイルス検査をしてほしい。40台以上で、
輸血の経験があり、家族に肝臓疾患者がいる人は肝炎ウイルスを保持している可能性が
あるという。肝機能障害を調べる検査項目は多岐にわたる。血液検査などで肝機能障害
が疑われる場合は、肝臓の専門医に診てもらうことが大切だ。
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