クリニックからのお知らせ

■★手がふるえる原因疾患について★
手がふるえて、うまく字がかけない。お茶を出すとき、ついこぼしてしまう。
ほかに病気がないのに、緊張したときや人前で何かするときに手や声のふるえ
がひどくなる。そんな症状に悩まされている人は少なくない。医学的には
「本態性振戦」と呼ぶ。原因不明のふるえという意味で、ほかの症状はまったくない。
脳の運動をつかさどる機能の何らかの異常と考えられているが、よくわかっていない。
日本神経治療学会によると、65歳以上の5〜14%と高齢に多いが、20代で発症する場合も
ある。コップを持ったときや、字を書くときなど、重力に逆らう動作をしたり、特定の
姿勢を維持したりするときに、自分の意思無関係に小刻みにふるえが生じる。
ひどくなると、字が大きく乱れ、食べ物を口に運べなくなるなど、日常の動作が困難に
なる場合もある。緊張によって手や声がふるえるといっても、心因性の病気ではない。
緊張しやすいのではなく、ふるえやすい体質だということ。ふるえがひどいとプレッシャー
に弱いと見られがちだが、精神面を鍛えれば治るというものではない。
ふるえが気になり出したら、まずは似た症状がある別の病気でないかを見極める必要がある。
パーキンソン病の場合は、安静時に手足が震えるのが特徴で、歩行困難や運動障害などを伴う
ことが多い。パセドウ病、脳梗塞、脳出血などでも、ふるえが出る場合がある。
字を書くときや楽器を弾くときだけ手がこわばる書痙や局所性ジストニアという病気もある。
ぜんそくなどの薬の副作用でふるえが出ることもある。ふるえにはあらゆる原因があり、
自己判断は禁物。おかしいと思ったら神経内科受診してほしい。ふるえの程度にも
個人差があり、生活に困らないなら治療の必要はない。仕事や生活に影響が出ている場合は、
交感神経遮断薬などの薬でふるえをコントロールすることが可能だという。
仕事で人前に出る機会が増えたために支障を感じるようになったり、一度ふるえた経験から
くる不安でふるえが増したりすることもある。薬はこうした不安への安心材料にもなる。
ほかにも、ふるえをコントロールする手段は色々ある。コップに入れる量少なめにしてこぼれ
にくくするなど、自分でできる工夫もある。医師と相談しながら自分なりの対処法を見つけ、
うまく付き合っていくことが大切。
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