クリニックからのお知らせ

■★魚を食べて健康長寿を★
昨年12月、和食文化が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録
されました。和食は醤油の多様で塩分が多くなりがちな点を除けば、がんの予防にも
プラスになる健康食です。江戸前寿司に代表される和食は、肉より魚をメーンにするのが
特徴です。日本はポルトガルや韓国と並ぶ、世界有数の魚好きの民族です。
サバやイワシなどの青魚、マグロやサケなどには、エイコサペンタエン酸(EPA)や
ドコサヘキサエン酸(DHA)といったオメガ3不飽和脂肪酸が多く含まれます。
これらの脂肪酸は血液をサラサラにする効果などがあり、日本人に心筋梗塞が少ない理由の
ひとつといわれています。EPAやDHAを多く含む魚を多く含む魚をよく食べる人は、
ほとんど食べない人に比べ、肝臓がんを発症するリスクが4割近く下がることがわかりました。
肝臓がんの大半は肝炎ウイルスの感染による慢性肝炎がもとになって発症します。
EPAやDHAの持つ炎症を抑える効果が、肝炎の発症を減らした結果、肝臓がんの発症予防に
つながった可能性が指摘されました。ただ、すでに肝炎にかかっている患者に限定しても、
EPAやDHAを多く含む魚を食べるほど肝臓がんのリスクは下がっていました。
糖尿病になるとがんが増えることが分かっていますが、EPAやDHAは血糖値を下げる働きも
持っています。糖尿病予防効果が、がん予防にもつながっている可能性があります。
EPAやDHAを最も多く摂取したグループは、最も少ないグループに比べ、乳がんのリスクが
14%低下していました。また、魚を食べることで子宮頸(けい)がんのリスクが下がるという
データもあります。しかし、日本人の魚介類の摂取量は減り続け、2006年には肉類の摂取量に
逆転されてしまいました。今、和食ファンは世界中で増え続けています。おいしいだけでなく、
心臓病やがんの予防にも役立つ和食は世界に誇る財産です。和食の文化を守ることは、
日本人の健康長寿の維持にも不可欠です。
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