クリニックからのお知らせ

■親知らずののう胞
親知らずに限らず骨の中に埋まっている歯は、歯冠に歯のうと呼ばれる袋状の部分がある。
それ自体は心配ないが、大きく膨れると、のう胞という状態となる。親知らずは、大臼歯の
奥にある歯で智歯ともいう。生えたのを親に知られないことが、名前の由来とされる。
そんな親知らずでるが、骨の中に埋伏した状態から、生えてくるときに歯のうが破れて歯が
露出する。一部でも口の中に生えてくれば、袋の中の圧力が減る。そのため歯のうはさほど
大きくならず、のう胞にもならないことが多い。歯のう自体は、歯冠を覆っているぐらいの
大きさならあまり気にしなくていい。埋伏歯の歯のうがさらに大きくなると、のう胞となる。
かなり大きくならないと腫れているとは感じにくいが、それより、のう胞の部分に炎症が
起こって痛みが出る場合の方が多い。含歯性のう胞の治療は、摘出手術が基本。
ただ、それが大きすぎる場合や、骨の伸びに影響しかねない成長期の人には開窓術が
施される。開窓術とは手術により袋に窓を開けて内部を減圧させる方法。じっくり時間をかけて
十分小さくしてから抽出する。非常に小さくなれば、摘出作業が不要になることもある。
含歯性自体は、腫瘍ではなく心配なものではない。しかし、放置する大きくなる可能性があり、
手前の歯や、下あごの骨の中にある神経に影響を及ぼすことがある。また、レントゲン写真では、
のう胞のようにみえても実は腫瘍の場合もある。急ぐ治療ではないが、放置するのはよくない。
1回のレントゲン写真で手術の決心がつかないときは、経過を見ていくのも一つの手だ。
のう胞が大きくなるようであれば、治療をおすすめする。

Topページに戻る