クリニックからのお知らせ

■★家のカビ★
梅雨の季節、湿度が高くなると気になるのがカビ。その胞子などを吸い込むことで、
感染症にかかったりすることも少なくありません。カビが原因で起こる健康被害とは
どんなものがあるのでしょうか。カビは気温が20〜30度、湿度が80%以上になると
生えやすくなる。そこにほこりやちり、あかなどの栄養が加わると一気に菌糸を作り
繁殖する。私たちが生活する部屋の空気1立方?中にも、通常1千〜2千個の胞子が
飛んでいるとされる。肉眼で分かるカビのかたまりには数億個の胞子が根を生やして
いるという。カビの胞子や菌糸の一部が皮膚や口から体内に入り、増殖することで
起こる感染症は、水虫やカンジダ症などがある。ハトの糞などにいるクリプトコッカス
というカビを吸い込むと、肺真菌症を起こすおそれもある。慢性閉塞性肺疾患(COPD)
の患者や高齢で抵抗力が弱っている人は、特に肺の奥(肺胞)で増殖しやすく、感染
リスクが高い。こうした感染症は免疫が低下した人に多く見られるが、カビによる
アレルギー症状は免疫力に関係なく発症する。なかでも、梅雨から夏にかけておこる
夏型過敏性肺炎はその代表格だ。トリコスポロンというカビの胞子を繰り返し吸い込む
と、たんのあるせきや発熱など風邪のような症状が出て、せきが数週間〜数ヶ月続く。
急激に咳き込む急性型と徐々に進行する慢性型とがある。いずれも秋になると落ち着く
ため、自然に治ったようにも見える。しかし、油断は禁物。慢性型になると次第に
肺胞が線維化し、場合によっては重症の呼吸不全に陥り、生命に関わることもある。
トリコスポロンは風呂場や洗面所、台所などの水回りに多く発生し、朽ちた木材などにも
すみつく。このため、家の中にいる時間が長い専業主婦に多く見られる病気だという。
ほかにも、主にアスペルギルスというコウジカビが気管支に住み着いて起こるアレルギー
症状に「アレルギー性気管支肺アスペウギルス症などがあり、治りにくいぜんそくの原因
にもなる。カビによる健康被害を防ぐには、徹底したカビの予防が不可欠だ。カビは
生命力が強く、一度生えると根が深い。日ごろからカビがはえないような対策を。
水回りは清潔に保つ、家具を置くときは壁や床との隙間を作る。押入れや扉は常に多少
開けて喚起する−などが有効という。
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