クリニックからのお知らせ

■長引く咳に注意しましょう
●心配いらない咳と注意すべき咳

咳とは、気道(空気の通り道)に異物や痰が詰まったとき、
それを出すために起こる生体の防御反応です。
気道になにも詰まっていないのに咳が出るのは、何らかの原因により、
気道に炎症が起こっているからです。
風邪をひくと喉が痛くなったり、咳が出たりするのは、気道に炎症が起こっているためです。
しかし、風邪の場合の炎症は、長くても2週間ほどで徐々によくなっていき、
咳も風邪が治るのに合わせて出なくなります。
風邪の場合のように、少しずつでも自然によくなっていく咳や、煙を吸いこんだり、
唾液が流れこんだりしたときに出る一時的な咳は、心配いらない咳です。
一方、注意が必要な咳とは、長引いて、いっこうに改善しない(2週間以上)場合や、
高い熱が出る、痰が出る(黄色い痰、または血痰)など、長引く咳と一緒にほかの症状も
現れている場合です。このような注意すべき咳は、ぜん息、COPD、肺結核などの呼吸器疾患で起こりますが、心不全などの心臓疾患、慢性副鼻腔炎などの耳鼻科疾患、胃食道逆流症などの
消化器疾患の場合でも起こります。また、咳だけしか症状のない咳ぜん息のような疾患もあります。
医療機関では、胸部X線検査を行い、問診などでほかの症状の有無を確認しながら鑑別します
軽い咳の場合は、見過ごしてしまいがちですが軽い咳でも長引いているときは、まずはかかりつけ医に、
咳がどのくらい前から続いているか、ほかに症状はないか、などを相談してみてください。

●痰の出る咳と咳の出ない空咳

痰は、健康なときには少量で、白く透明であり、無意識のうちに飲みこんでしまうために
「痰」として出てくることはありません。しかし、炎痰などの異常があると量が増え、また、
細菌などの感染が起こると黄色くなります。さらに、気道の粘膜が傷ついていたり、
肺で出血が起こっていたりすると、痰に血が混じる血痰が出ることがあります。
痰を伴う咳では治療が異なります。痰が出ない空咳の場合、咳が出ないようにする治療になります。
一方、痰が出る場合には、痰の分泌を減らす、痰を出やすくするといった治療が行われます。

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