クリニックからのお知らせ

■★認知症の早期発見を★
加齢とともに心配になるのが認知症である。この割合は85歳で約25%、
100歳で約半数とやはり怖い。年をとると一番困るのが特定の固有名詞を
覚えられなくなり、なかなか口から出てこないことだ。とりわけ人の名前などが
顕著だ。自分ではわかっているつもりでも名前は出てこない。
「顔はすぐに思い浮かぶ」「名前が喉まで出かかっているのだが」とよく言う。
これはTOT(Tip of the Tongue)現象と呼ばれ、高齢者ならば身に覚えがある人も
多いだろう。いわば正常な老化の一過程とも言える。これに対して「認知症」は
明らかに病的なものである。脳が広範囲に障害を受けるために起きる。
加齢とともに増える単なる「もの忘れ」と少し違う。認知症の原因にはアルツハイマー
型と脳血管型、レビー小体型がある。認知症が進むと、直前のことも覚えていない
ことがある。家族などが認知症に気がついて、専門医のところに運び込んだときはすでに
病状は進んでいたということがよくある。これは周りの人に「年齢をとってくると
誰でももの忘れがひどくなるのさ」といった思いがあるからだろう。しかし正常な老化の
一過程としてのもの忘れなのか、また病的な記憶障害なのかを見分けることが大切だ。
認知症の根本的な治療法はまだないが、薬などで進行を止めることはできる。
また認知症の中には正常圧水頭症のように早期に発見し、薬などで治療すれば回復する
ものもある。多くの病気と同様、認知症でも早期発見、早期治療が大切である。
日本は今後も高齢化が進む。認知症をはじめとする記憶障害を持つ人が増えるだろう。
そうした人達を早期に発見するには、家族だけではなく近隣の人たちの協力が欠かせない。

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