クリニックからのお知らせ

■★エボラ出血熱★ ?
エボラウイルスが強力なのは、高い増殖力と、細胞に異常を引き起こして激しい症状をもたらす
性質のためだ。膜から内側に侵入したウイルスは、細胞が増える仕組みを使って、増殖に必要な
RNAやたんぱく質を大量にコピーして増える。増えたウイルスは肝臓や腎臓、血管など全身の
細胞に侵入。臓器の細胞を壊し、多臓器不全に至らせる。特徴的な症状の出血はマクローファージ
の暴走が一因と考えられている。ウイルスが取りついたマクロファージは、血液を固まらせる物質
(因子)を大量に放出。その物質が使われて体のあちこちで血液が凝固する。その結果、
流れている血液中には固まらせる物質が不足。血液がもろくなった血管の壁を破っても固まらず、
歯茎などからの出血が止まらなくなる。エボラ出血熱の根本的な治療薬はない。
下痢で脱水症状が起きたら、水分を補給させるといった対症療法に限られる。だが、有望視される
複数の薬が開発段階にある。その一つが、ウイルスが細胞に付着するのを防ぐ抗体薬だ。
二つ目は、ウイルスの増殖に必要なRNAが合成されるのを防ぐ薬。日本の製薬会社が開発した
新型インフルエンザ治療薬「アビガン」は、RNAを複製する酵素の働きを押さえ、マウスの実験では
エボラウイルスも同様に働く。ただ、いずれも有効性は未知数。研究者らは早期の治療としては
期待するが、出血を起こした重症患者を劇的に治す「魔法の薬ではない」と指摘する。
このほか、WHOは回復した元患者の血液に含まれる抗体を血清として取り出して、患者に注射する
治療法も有効策とみていい。
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