クリニックからのお知らせ

■(A)咳と痰、息切れがCOPDの主な症状
長引く咳を特徴とする主な疾患に、COPD(慢性閉鎖性肺疾患)があります。
COPDとは、有害物質の長期にわたる吸入により肺に慢性の炎症が起こり、呼吸機能が
低下し、息がしにくくなってしまう病気です。
COPDには、2つのタイプがあります。1つは、気道に炎症が起こって気管支の粘膜が厚くなり、
痰などの分泌物が詰まってさらに狭くなる「気道病変タイプ」です。もう1つは、気管支の奥にあり、
酸素と二酸化炭素の交換を行う肺胞が壊れる「気腫タイプ」です。以前は、「気道病変タイプ」を
「慢性気管支炎」、「気腫タイプ」を「肺気腫」と呼んで2つに分けていましたが、現在は合わせてCOPDと呼び、治療を行っています。COPDの主な症状は、咳以外に、ちょっとした動作で息切れがする、
ひんぱんに痰が出る、などがあります。ゆっくりと悪化するため、気づかないうちに進行し、
命にかかわることもあるので注意が必要です。COPDの原因は、日本人の場合、ほとんどがタバコです。
長年の喫煙習慣がある人が、50〜60歳を過ぎてから発症するケースが多いです。
10年以上の喫煙歴のある人や、ヘビースモーカーの人、特に10代から吸っている人は、
発症のリスクが高いと言われています。タバコを吸う人で咳が出る、痰が出る、息切れがする、
といった症状に心当たりがあれば、一度かかりつけ医に相談してみたほうがいいでしょう。
一度壊れた肺胞が元に戻ることはないため、COPDを完全に治すことできません。
まず完全にタバコをやめて、これ以上病気を進行させないことが何よりも大切です。
あとは適切な薬物療法によって症状を改善させ、重症化を防止します。
薬物療法では、気道を広げて呼吸を楽にする気管支拡張薬や、痰を出しやすくする
喀痰調整薬、気道の炎症を抑える吸入ステロイド薬などが用いられます。
また、呼吸機能を保つための運動療法も行われます。さらに、風邪をひかないようにする、
しっかりと栄養を摂ってやせないようにするといった日常生活の注意も、COPDを悪化させないためには
重要です。
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