クリニックからのお知らせ

■★認知症の早期発見★
認知症になっても穏やかな生活を送ることができる人が少しずつ増えています。
その鍵をにぎるのが早期発見です。年をとり、記憶力や認知機能が落ちていくのは
自然なこと。大事なのは、日常生活に支障がでる前に気づき、早期に支える体勢を
整えることです。加齢に伴うもの忘れでは、我が子の名前のような重要なことは
忘れない。だが、認知症などに伴う記憶力低下では、子の名前を思い出せなかったり、
想い出深い経験自体を忘れたりすることがある。どの程度のもの忘れなら心配ないのかを
見わけるのは難しい。不安をおぼえたら、専門家に相談したほうがいい。認知症を早く
見つけることは、家族の理解を深め、患者の安心にもつながる。家族が、本人のためと
思って、もの忘れを繰り返し注意することが、認知症の場合は逆効果になる。注意するほど
患者は不安になり、家族や周囲との溝が深まる。病気だとわかれば、こうした悪循環は防げる。
近年、認知症とは言えないレベルの「軽度認知機能障害」があることも明らかになってきた。
もとはアルツハイマー病の初期症状として注目され、日常生活に大きな支障はない。
ただ、この段階で気づいて、運動を増やすなど生活習慣を改善すると、進行を抑制できたと
いう報告もある。認知症の兆候が疑われたら、まず専門医を受診し、その後も半年〜1年に
1回はチェックを受けたほうがいい。運動は認知症が進むのを遅らせるだけでなく、
人とのかかわりを増やし、不活発になるのを防ぐ。昼夜逆転や不眠を解消し、生活リズムも
正せる。運動が苦手で、一日中パジャマで過ごしているような人は、きちんと着替えるだけでも
めりはりをつけることになる。早期発見は、治療にも有利だ。アルツハマー病は、
治療薬アリセプトなど「塩酸ドネペジル」をのむと進行を一時的に遅らせる。
脳梗塞や脳出血などが原因になる脳血管性認知症も、生活習慣の改善で脳梗塞などの再発リスク
を減らすことで悪化を防げる。レビー小体型の認知症では幻覚や妄想、前頭側頭型では異常な
行動が目立つが、これらの一部は薬で症状が抑えられる。頭を打った後などに起きる慢性硬膜下
血腫や、脳腫瘍など、認知機能が低下するほかの病気も、早期ほど治療や改善が期待できる。
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