クリニックからのお知らせ

■★体に優しいお酒の飲み方★
適度な飲酒は緊張を解き、楽しい気分にさせてくれる。お酒は、様々な臓器の
障害の原因になるが、適度なら、いくつかの疾病リスクを低下させることが疫学研究
で明らかになっている。適度とはどれくらいか。純粋なアルコール20グラムで1単位。
日本酒なら1合、ビール(5度)なら500??が1単位という具合だ。過去の疫学研究では、
狭心症など虚血性心疾患や2型糖尿病の発症リスクは、1日に適量の飲酒をした場合の
方が全く飲まない場合より低いとされる医療機関などの報告がある。しかし高尿酸血症リスクで
全く飲まない場合が最も低いなど、飲酒の効果が存在しない病気もある。
考えると1日1〜2単位までなら効果も期待できるが、アルコール摂取の適量については、
公的機関などで、1単位、あるいは2単位程度をメドとする見解もある。1日5単位、6単位は
まさに過剰な飲酒。疫学研究ではがん、脳血管障害、事故による死亡などのリスクを
高めることが分かっているが、専門家が危惧するのはやはり肝障害だ。原因の肝硬変など
重大な肝臓疾患も多い。男性に比べアルコールの代謝能力が低い女性や高齢者は要注意だ。
とくに妊婦は飲酒を避けるべき。内臓脂肪の蓄積が原因で脂肪肝を発症している人は専門医の
指導が必要だ。食事をしながら楽しく飲むこと、とくに豆腐、魚、肉などの高タンパク質の
ものは肝細胞の再生を促す。水分補給も大切だ。水割りなどを飲むと、水分ばかりのような
気がするが、アルコールは利尿を促し、水を排せつしようとするので、飲酒後は脱水症状に
なりがち。二日酔いのときも、まず水を飲んで静かに横になり、体が回復するのを待つ。
重要なのは摂取するアルコールの総量。毎日1単位をたしなむ程度なら体肝日を設けなくても
いいだろう。どうしてもたくさん飲んでしまう人には、1週間の総量を抑える休肝日は有効。
自分では厳守できないと諦めている人もいるが、医師などのサポートを受けて成功すること
も多い。指導により多くの人が酒量を3分の2に減らせた。近年急増しているアルコール依存症
になることも未然に防げるだろう。

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