クリニックからのお知らせ

■★悪玉コレステロール適正値は★
健康診断の基準値を緩める日本人間ドック学会の案は、治療を受ける必要は
ないのかなどと波紋を呼んだ。特に、悪玉コレステロールの「LDL-C」は、
上限値が大幅に上がっている。どう受け止めたらよいのか。人間ドック学会と
健康保険組合連合会が4月に発表した健康基準の緩和案では、65歳以上の
女性は上限が190になる。しかし、日本動脈硬化科学界の指針では年齢、性別
に関係なく140以上を病気としている。2つの基準は、求め方も意味合いも
異なる。人間ドック学会は健診時の状態が健康かどうかを示しているという。
一方、動脈硬化学会の基準は、基準の目的は、心筋梗塞などを予防すること。
今は健康な人の中にも、将来、心筋梗塞などを起こすリスクが相対的に高い人が
いる。健診の新たな基準では、それが見過ごされる危険があると指摘する。
LDL-Cを含む総コレステロール値が低いと、日本人にはもともとすくなかった
冠動脈疾患は減るものの、多かった脳卒中などが増えるという疫学研究もある。
病院に通い、薬を毎日飲むという経済的、時間的な負担に見合う利益が、LDL-C値
を下げることにあるのかどうかは意見が分かれている。基準を超えたらただちに薬を
使うというのは誤解だ、例えば、若い女性は冠動脈疾患の危険が低いことなどを
指針に反映している。12年に改定した学会の指針では、140以上を病気としているが、
59歳以下の女性は、糖尿病などがなければ180未満は薬物治療は必要ないとする。
目標値は160だが、達成しなければならないとはしていない。男性も、高血圧や
喫煙などの危険要因がなければ同様だ。LDL-C値の高低が、冠動脈疾患だけでなく
様々な死因に与える影響を考えた場合、適正な範囲はどうあるべきか。
専門家の意見は一致していない。

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