クリニックからのお知らせ

■★心房細動は脳梗塞リスク、予防や治療が大切★
心房細動は最も多い不整脈のひとつで、全国に70万〜100万人いると
報告されています。ドキドキとした動悸や、息切れなどが代表的な症状で、
めまいや疲労感がみられることもあります。すぐに命に危険を及ぼすわけでは
ありませんが、脳梗塞につながることはあまり知られていないようです。
心房細動のある人のうち、3人に1人ぐらいが一生のうちに一度は脳梗塞を
起こす、といわれています。心房細動は高齢者に多い不整脈で、心臓の上部にある
「心房」という部分が、けいれんしたように小刻みに震えた状態になる。
震える時間は個人差があり、数分で戻ることも、戻らず一生続くこともある。
確実に診断するには、心電図をとる必要がある。心房が震える状態になると、
血液をきちんと送り出すことができずに血の流れが滞る。すると、心房の中に
血の塊(血栓)ができやすくなる。この血栓が血液の流れに乗って脳に運ばれ、
血管を詰まらせると、脳梗塞になる。心臓でできる血栓は大きくなりやすいため、
心房細動が原因の脳梗塞は重病化しやすい。やっかいなのは、心房細動の半数ほどは
自覚症状がないことだ。脳梗塞になって初めて、心房細動になっていたことがわかる
ケースも少なくないという。心房細動と分かれば、脳梗塞を予防するために、
しっかり治療をする必要がある。特に、65歳以上の高齢者、高血圧や糖尿病、
心不全がある人、過去に脳梗塞を起こしたことがある人は、よりリスクが高いとされる。
治療の中心は、血栓をできにくくする「抗凝固約」いくつか種類があり、納豆や海藻など
の食事制限が必要なものもある。血がサラサラになって血栓ができにくくなる分、
脳や消化器での出血が起きやすくなる副作用の恐れもある。腎臓の働きが悪いと使えない
ものもあり、医師とよく相談し、出された薬は指示通りにのむことが大切です。
心房細動そのものが起きないように、カテーテル(細い管)で原因となる部分を
焼く治療法もある。心房細動にならないよう、生活習慣にも気をつけたい。
高血圧や糖尿病予防は脳梗塞だけでなく、心房細動そのものの原因にもなる。
塩分の取りすぎや肥満にも要注意だ。脳梗塞は寝たきりにもつながり、健康長寿を
阻害する最大の病気の一つ。その観点からも、心房細動の予防や治療はとても大切です。
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