クリニックからのお知らせ

■メニエール病
メニエール病は、回転性めまいの原因として最初にイメージされる疾患です
メニエール病では、内耳に「内リンパ水腫」が発生しています。
原因はいまだ不明ですが、内リンパ曩の機能不全によって、内リンパ腔内に
内リンパ液が過敏に貯留した状態と推測されています。
発作が反復すると聴力低下が進行し、健側耳の聴力も悪化することがあります(両側例)

【メニエール病の診断】

1.問診(病歴聴取)
2008年に改訂された診断基準を表1に示しました。急性期にみられる発作は、
立っていられないほどの激しいめまい(主に回転性)が難聴や耳鳴、耳閉閉感と
ともに起こり、反復することが特徴です。
1回のめまい発作は10分〜数時間程度で、嘔気や嘔吐などの自律神経症状を伴うこともあります。
特別な誘因はありませんが、発作にはストレスが影響しているといわれています。

2.検査・観察
問診でおおよその診断が可能ですが、発作時に認められる「方向固定性の水平回旋混合性眼振」や、
初期の急性期に認められる「低音〜中音域の聴力低下」といったメニエール病に
特徴的な検査所見が認められれば確定診断の助けになります。

3.鑑別診断
外リンパ瘻、内耳梅毒、聴神経腫瘍、神経血管圧迫症候群、低血圧、心因性めまいなどは、
メニエール病と類似の症状を呈するため鑑別に注意します。

【メニエール病の治療】

1.急性期
光や音の刺激が少ない部屋で安静を保ちながら、注射薬を中心に治療します。
めまいの抑制には7%炭素水素ナトリウムが用いられます。
必要に応じて嘔気・嘔吐には、塩酸メトクロプラミドやジアゼパムを使用します。

*保存的治療
イソソルビドが第一選択として用いられます。同時に循環改善薬(ATP製剤など)、末端神経障害改善薬、
抗不安薬、抗めまい薬なども併用されます。また、疲れやストレスを留めないよう生活指導を行うことが重要です。
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