クリニックからのお知らせ

■★網膜色素変性★
網膜色素変性は、目に入った光を電気信号に変えて脳に伝える網膜の視細胞の働きが
低下し、死滅することで起こる。薄暗いところや暗い場所が見づらい、視野が狭くなり、
周りが見えにくい、明るい場所にいるとまぶしい、といった症状が両目にあらわれる。
症状があっても目の病気と思わない人もいる。きっかけになることが多いのが
「眼底検査」だ。眼科に行かないと受ける機会がない。国内の患者数は4千〜8千人に1人
とされる。原因は遺伝子の異常で、約170の遺伝異常が知られている。遺伝の仕方は様々で
親が病気だからといって子どもも病気になるとは限らない。根本的な治療法は確立していない。
病気が進行し、網膜全体の視細胞が少なくなると、やがて失明につながる。進行が遅く、
高齢になるまで視力が低下しない場合もある。発症したら必ず光を失うわけではない。
現在、症状の悪化を食い止める新しい点眼薬の開発が日本で進んでいる。視野が狭くなった
矯正視力0・5以上の患者を対象にした臨床試験では、半年間点眼を続けると、視細胞の光の
感じ方が悪化する例が大幅に少なくなった。生活が不自由になる例も減った。遺伝子治療法の
研究も進んでいる。失明に至った場合でも、最近はロービジョンケアと呼ばれる支援策が整備
され、生活しやすくなった。視覚に障害があっても、人生を楽しんでいる人はたくさんいます。
遺伝性の病気なので、子どもへの伝え方を悩む人が多い。専門医でも意見が分かれるところだ。
ただ、早い時期に知っても治療法が確立していない。親の病状や子どもの性格にもよるが、
本人に症状が出るまでは必ずしも言わなくていい。
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