クリニックからのお知らせ

■★がん社会を診る★
がんは一種の老化現象で高齢者に多い病気ですが、定年延長と女性の就労率の
高まりによって、20〜64歳の現役世代にも増えています。新たにがんと
診断される日本人は年間約75万人で、その3分の1弱にあたる約22万人は
現役世代です。がんによる死亡数は戦前から一貫して増え続け、1981年に
日本人の死亡原因の第一位になりました。現在、年間約36万人ががんで
亡くなっていますが、7万人が現役世代で、この世代の死亡原因の約半数を
占めています。厚生労働省によると、がんにかかった後、治療を受けながら
働いている人は全国で約32万5千人と、勤労者全体の0・5%を占めています。
内訳は男性が14万4千人、女性が18万1千人で、女性に多いのが目立ちます。
年代別では男性は60代が6万1千人と全体の約4割を占め、50代(3万4千人)
、70歳以上(3万2千人)と続きます。女性は50代の7万人が最多で、40代
(5万人)、60代(3万4千人)の順でした。乳がん、子宮頸(けい)がんは
若い人に多いため、現役世代のがんは女性に多く見られます。一方、男性のがんは
55歳以降に急激に増えますから、定年延長で今後、現役男性にがんが急増する
はずです。がん治療の進歩などによって、がん全体の約6割、早期がんに限れば
9割程度が完治する時代になりました。しかし、働くがん患者の3割が依願退職
(4%が解雇)しているのが実情です。自営業者の場合でも、13%が廃業に
追い込まれています。収入も平均で395万円から半分以下の167万円に
激減しています。政府や厚生労働省も支援のあり方について議論を始めています。

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