クリニックからのお知らせ

■★肺結核について★
結核は結核菌の感染によって発病する。2013年に新しく結核を発病した人は
2万495人に上る。結核菌は人から人にうつる。せきやくしゃみの小さなしぶき
の中に含まれていたり、室内の空気中に漂っていたりする結核菌を吸い込んで
感染する。ただ、感染しても免疫力が高ければ、結核菌は死滅するか体内で休眠
状態になる。感染した人のうち、生涯で結核を発病するのは1〜2割で、大半は
発病しないで済む。しかし高齢者や糖尿病、がんなどの病気で免疫力が落ちた人では、
何十年も休眠状態にあった結核菌が増えて発病してしまうケースが起こる。
13年に発病した人の多くは70歳以上だった。一方、20〜30代も発病者の
一割以上を占めた。子供の頃に結核予防のための「BCGワクチン」を摂取していても、
その効果は10〜15年程度にとどまるとされている。結核は今も街の中で静かに
流行している。結核を発病すると、せきやたん、発熱など風邪に良く似た症状が出る。
せきもぜんそくのような激しいものではなく、本人はたいしたことはないと思いがちだ。
ただ、2週間たってもせきやたんが続くようなら、結核を疑って医療機関を受診する
ことが重要だ。結核を発病している場合、胸部エックス線検査をすると結核菌の増えた
病巣が白い影となって映る。たんを薬剤で染色して結核菌を検出する方法もある。
健康診断も結核感染を調べるのに有効だ。結核治療は薬の服用が基本だ。3〜4種類を
半年間飲み続ければ、治せる。病状や経過によっては服用時間が長くなることもある。
排菌していない人は通院で治療可能だ。治療で注意したいのは、症状が治まったから
といって途中で飲むのをやめてしまうと、薬の効きにくい薬剤耐性菌が生まれやすく
なる点だ。医師の指導に従い、処方された薬は最後まで飲みきることが重要だ。
その中で、大きな役割を担うのが地域の保健所だ。個人は職場などの定期健診を
しっかりうけるのが基本だ。特に学校や塾の先生、医師など、大勢と接する機会が多い
職業の人は自覚を持つことが大切だという。また、働き盛りの世代は結核の症状が
出ても、受診が遅れる傾向がある。本人の治療が長引くだけでなく、周囲にうつす
可能性も高まってしまう。結核を甘くみないで、早期に発見し、きっちり治すことが
重要だ。
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