クリニックからのお知らせ

■★解明進む耳鳴りの原因と治療★
一定の年齢になれば誰でも多少なりとも経験する耳鳴り。
不快に思っても、加齢現象だからしかたがないと積極的な治療が
行われてこなかったが、最近、耳鳴りのメカニズムなどに関する臨床研究
が進んできた。治療の選択肢が増えるとともに、改善するための生活法なども
提案されるようになってきた。耳鳴りは誰にでも起こりうる。加齢変化や
精神的影響によって感じる音の強さは変動することも分かっているが、
仕事や家事など日常生活で不快に感じるようになれば、治療の対象となる。
まずは、中耳や内耳の原因を解消すること。検査で突発性難聴やメニエール病
などと診断されることもあるが、多くは原因不明。ただし、耳鳴りを抱える
患者の8割から9割に一定の難聴がみられることは分かっている。そこで内耳の
炎症を鎮めたり、代謝を改善する薬物治療をしたりする。低血圧などの循環器
疾患やメタボリックシンドローム、毛染め剤など化学物質に対する過敏症状など
内耳に影響を与え難聴の原因となる基礎疾患へのケアも欠かせない。しかし、
最近では、大脳など中枢神経の関与が大きい耳鳴りが少なくない考える専門家も
増えてきた。誰でも20代以降、少しずつ耳の聞こえは低下しはじめ、早い人
では40代から加齢性難聴の兆候を示しはじめる。このとき脳は足りない音を
補おうとし、その音を耳鳴りと感じる場合がある。この中枢性の耳鳴りの特徴は、
ストレスの影響を受けやすいということだ。そのため、中枢性の耳鳴りには心理面
でのサポートが欠かせない。こうした患者さんには、十分な睡眠をとることや、
水泳やウオーキングなどの有酸素運動をするよう生活指導をしていくとともに、
症状に応じて副作用の少ない抗うつ薬、抗てんかん薬を用いることで、日常生活に
支障がない程度まで症状を改善できることも多いという。このほか耳鳴りの治療には
原因となる難聴に対する補聴器治療や耳鳴りに対する過敏反応を和らげるTRT
(耳鳴り再訓練療法)など、治療の選択肢は増えてきた。あきらめずに自分にあった
専門家を見つけることが重要だ。
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