クリニックからのお知らせ

■★中高年に多い胆石症★
胆のうの中にできた胆のう結石(胆石)は、無症状のまま年をとるとともに
少しずつ大きくなっていることが多い。近年、腹腔鏡手術が普及したことで、
胆石が原因で起こる「胆石発作」や「胆のう炎」のリスクが高い人を早く発覚し、
積極的に治療を行うケースも増えてきた。胆のうの働きは胆汁を濃縮し、
食事の時にタイミングよく縮んで放出される。胆汁の成分が途中でかたまり石の
ようになる病気が胆石症で、肝臓のなかにできる肝内結石、総胆管にできる総胆管
結石、胆のう結石がある。胆汁に含まれるコレステロールが固まった胆のう結石。
10人に1人が胆石を持っているといわれている。胆石症になりやすい人は「40代
以降の中高年」「肥満の人」「女性」「多産婦」などであり、典型的な症状は「身を
よじるほど痛い」といわれている胆石発作。食後、とくに脂っこいものを食べた後に、
みぞおちや右上腹部に激しい痛みを生じるが、数時間すると軽くなり消えることが多い。
食後の胃もたれ、便通がおかしいといった不調の背景に胆石が隠れていることがある。
胆石がある人は、細菌が原因で起こる急性胆のう炎にかかりやすい。発熱、嘔吐などが
起こるだけでなく、炎症で胆汁がうまく流れなくなり、血液に入って黄疸になることも
ある。この時に細菌が一緒に血液中に流れ込むと、全身で炎症が起きる敗血症になる。
胆石がないかどうか、早めに調べておきたい。特に腹部エコー(超音波)検査が大切だ。
40代になったら脂肪肝の有無を含め、一度受けておいてほしい。治療は手術が中心。
体の負担の少ない胆のう腹腔鏡手術が進歩し、胆のう炎などのりすくが高い患者では、
胆のうを切除する治療を選択しやすくなったからだ。胆石の予防としても心がけたいのが
肥満の解消だ。高脂肪、高カロリーの食事。動物性の脂質の取りすぎは胆のう結石の
原因となる血中コレステロールを高くする原因になるので、バランスのよい食事を心
がけたい。規則正しい食事習慣も重要だ。胆のうは、食事のたびに収縮を繰り返す。
睡眠中は収縮しない上、朝食を抜くと胆汁の流れが滞る原因になる。また、就寝前に
遅い食事を取ることも機能停止につながりかねない。身近な病気である胆石症の早期発見
は、中高年以降の健康管理の重要なポイントになりそうだ。
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