クリニックからのお知らせ

■★胃がんの原因となるピロリ菌と塩分★
かつてストレスが胃潰瘍の原因といわれたこともありましたが、ストレスだけでは
胃潰瘍になりません。ピロリ菌感染症とストレスが胃潰瘍のリスクを大きく高めた
のです。ピロリ菌は胃がんの原因にもなります。1994年、世界保健機関(WHO)
はピロリ菌感染を胃がんの確実な発がん因子と認定、最高の危険性を示す「グループ1」
に分類しました。強力な発がん性で知られるたばこやアスベストと同じグループです。
胃がん患者のほとんどがピロリ菌に感染していますが、ピロリ菌の感染症のうち実際に
胃がんになる人は1%以下で、ピロリ菌に感染したからといって胃がんになるわけでも
ありません。ピロリ菌に感染している人が、塩分過多になると、胃粘膜の炎症が進み、
胃がんを発症しやすくなるということです。塩分摂取は地域ごとに大きな差があるため、
胃がん患者は塩分を多くとる東北地方の各県に多くなります。胃がんによる死亡率が
高いのは秋田県で、青森県、山形県が続きます。逆に塩分摂取量が全国一少ない沖縄県
では、胃がんによる死亡も最低です。私たちの食卓には、味噌汁や漬物など、塩辛い
食品が欠かせません。日本人の塩分摂取量は減ってきたとはいえ、2013年の成人
一日あたりの平均は男性で11.1グラム、女性で9.4グラムと世界トップクラスです。
高かったピロリ菌感染率と並んで、塩分摂取の多さが、日本が胃がん大国である大きな
理由です。とくに、いくら、塩辛、練りウニなど、塩分濃度が非常に高く、お酒やご飯が
すすむ食物が胃がんを増やします。減塩をチャレンジしてみましょう。
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